きんぱね関西株式会社|きんぱね関東株式会社

昭和51年の創業以来、特に貯水槽の再生・補修工事、メンテナンス業務において多くの実績を積み重ねているきんぱねのブログ

2008 年 2 月 のアーカイブ

阪神大震災の教訓

2008 年 2 月 29 日 金曜日

過去FRP製の貯水タンクはその耐久性が半永久的とされていましたが、実際には水が上下する時の負荷や太陽光線中の紫外線、また熱、風雨等様々な要因によって確実に劣化して行きます。
当社で設置後15年が経過したFRPパネルタンクのFRP板の強度を計測しました。その結果製造時の強度に比べて、曲げ強度で約60%以下、引っ張り強度で約70%以下になっていました。

阪神大震災ではこういったタンク強度の低下から、多くのタンクが破裂して緊急時の水が確保できなかった訳です。

阪神大震災では、まず二次災害での初期消火に水が無く、被害が広がりました。多くの火災は、地震直後からのものもありますが、倒壊・半壊した家から漏電などによって数時間後に火災が発生しました。この初期消火にあたる水が無くいたるところで火災が続いたわけです。

また怪我人の治療にも水が足りませんでした。
あまり知られていませんが、水が足らなくて特に被災者が困ったのはトイレです。
水が足りなかったので水洗トイレが使えないようになった訳です。すると人々はトイレを我慢するので救援物資として届いた飲料水を飲まなかったのです。
その結果、冬季であるにもかかわらず脱水症状を招き、さらに地震によるストレス重なり、心筋梗塞や脳溢血等の循環器系の突発的な病気で倒れたり、亡くなった方が多くおられました。

各地域のよって災害対策用貯水槽整備基本要綱と言うものがあって、これは災害時の飲料水を確保し、併せて初期消火に必要な消防用水を確保する為の基本的な事項をまとめたものがあります。その内容に概ね500m圏内に1ヵ所40トン規模の貯水タンクを設置する事とあります。

政府の地震調査会によると首都直下地震の発生率は、すでに70%以上と言う時期に入っており、その被害は阪神大震災の2倍以上と考えられています。この様な状況下で500m圏内に1ヵ所40トン程度の貯水量では被害の拡大を防げるわけではなく、だからこそ自分達で命の水を確保する事が必要です。

例えば東京都内だけでも約23万基の貯水タンクがあります。そして台東区だけでも約2万基の貯水タンクがあり、この貯水タンクに10トンづつでも貯水できれば、万一災害で水の供給がストップしたとしても20万トンもの水が人々の命を守ります。

阪神大震災後1週間目の中高層住宅住民の困ったことについてのアンケート結果
①トイレの洗浄水   ⑥照明
②風呂         ⑦洗面
③炊事         ⑧冷蔵庫
④洗濯         ⑨エレベーター
⑤暖房         ⑩その他etc
なんとその他を除いた9項目中5項目までが水が無くて困ったと言う結果になりました。

災害緊急時の水の確保がいかに大切か、そして水の確保で貯水タンクがいかに重要な設備か私達は再認識しました。

現在都心部では新築ビル・マンションを中心に増圧直結給水方式に切り替えが進んでいます。しかしながら増圧直結給水方式はブースターポンプで水を直接給水する為に貯水タンクがありません。地震等の災害時に停電すればすぐに断水になってしまいます。しかも水を貯めていないのでとても危険な状況に追い込まれます。

建物にある貯水タンクを清掃時にしっかりと点検し、問題が起きる前に予防処置としてPTSリユース工法で補強を行い、常日頃から地震や風雨に絶えられる様にしておく必要があります。


                施工前  
 
                施工後

PTSリユース工法を行なえばタンクを取り替える必要がなくなり、コストも取替えに比べ半分以下で済みます。さらには社会的に問題になっているFRP製品の産業廃棄物化の削減にもつながります。

適切な時期に適切な処理を早め早めに施してやれば、貯水タンクを建物がある間は永年的に使用出来、さらに命の水が確保できるのです。自分の命だけでなく地域の人々を守るためにも貯水タンクは必要不可欠な命の水ガメです。

PTSリユース工法について詳しくはきんぱね株式会社をご覧下さい。

FRPパネルタンクの変遷

2008 年 2 月 27 日 水曜日

FRPパネルタンクはパネルとパネルの間に止水をする柔らかいパッキンを挟み込みボルトで締結して貯水できるようにした構造物です。
四角い容器に水を入れると水の水頭圧(ヘッド圧)で四角から丸になる様な応力がかかります。
例えば1リットルの牛乳パックの頭の部分を切って四角い容器を作るとします。これに水を入れると水の重力で容器を外に広げようとする応力がかかります。すると四角い牛乳パックが上から見ると丸くなっている様子が見られます。
こう言った状態にパネルタンクがなると水の水頭圧に耐えられなくなって潰れてしまいます。水の重力に負けない構造、つまり補強材による補強が必要になってくるわけです。

建築基準法の耐震設計基準の変遷に合わせてFRPパネルタンクの補強材による補強も様々な方式に変わって行きます。


まずこれがステーボルト方式です。FRPパネルタンクが水の応力で外に広がろうとする力をタンク内側からステンレスの棒で側面同士を引っ張り合わせることで支えています。
1980年頃まではほとんどがこの補強方式でした。タンクの中がジャングルジムの様になり清掃がやりにくいとか、ステンレスの棒が腐蝕してタンク強度が落ちるなどの問題があります。しかし構造的には単純なので後の補修や補強がし易いという利点もあります。


昭和53年(1978年)に発生した宮城沖地震を契機に貯水タンクの耐震設計(旧耐震)が必要となり、昭和56年(1981年)に建築基準法の一部が改正されて新耐震設計基準が施行されました。

そのためにFRPパネルタンクも新耐震基準をクリアするためにこの様なブレス方式の補強材に変わります。
ステンレスのアングル補強材をトライアングルに設置して強度を上げました。ステンレスのアングルを使っているので清掃時にゴム手袋をしているにもかかわらずエッジ部分で手を切ったりとか、四角い構造体を三角の形状で支えているので融通が利かず、補強材自体がFRPパネルを破壊して漏水する等の欠点があります。ですから補強材の一部をステーボルトに交換してから補修・補強を行なう必要があります。
1997年頃までこの方式が続きました。


平成7年(1995年)に発生した阪神・淡路大震災以降に建設省では「官庁施設の総合耐震計画基準」を翌年(1996年)に制定しました。この中で特に地震発生時にタンク内部の水が波立つスロッシング現象で、タンクの天井部を突き上げて破壊する事例に対して、安全策を施す事が定められています。

そしてこちらがそれ以降に登場した外補強方式のパネルタンクになります。
ボックスフレーム構造になっているので外補強材だけで自立します。丁度フレームだけで自立するキャンプ用のロッジテントを想像してもらえば分かりやすいと思います。天井部にも大きな鋼材の梁が入っていてスロッシング現象による天井部への水の突き上げにも強くなっています。
また内部の水面下には何も補強材が無いので清掃がし易く、補修・補強もしやすいタンクです。しかし中には天井梁が無かったり、本数が少なかったりするタンクが存在し、それが理由で経年劣化すると天井が裂けて破裂するタンクも事故例として少なくありません。

阪神大震災での貯水タンクの被害

2008 年 2 月 25 日 月曜日

平成7年1月に発生した阪神大震災では、多くの建物と設備が被害を受けました。
当然ながら多くの貯水タンクも破壊されて機能が停止しました。


小型のFRP一体型タンクの受水槽の破壊された写真です。
上からなにかで押しつぶされた様な壊れ方です。


大型のFRP一体型受水槽の破壊された写真です。
これも小型のものと同様に天井部をなにかで押しつぶされた様に壊れています。


FRP球形タンクの高架水槽が破壊された写真です。
下から突き上げた様に潰れています。


これもFRP球形タンクの高架水槽です。
設置状況や高さが違っても同じように下から突き上げた様に潰れています。


FRPパネルタンクの受水槽の破壊された写真です。
FRPパネルタンクは多くが天井部を破壊され貯水が不能になりました。


こちらはFRP一体型の高架水槽の破壊された写真です。
タンクの形状は異なっても破壊のメカニズムは共通したものがあります。
それは阪神大震災が直下型の地震で非常に強い縦揺れであったという事です。

地震の強さは水平加速度をガルと言う単位で表し、震度7で400ガル以上とされています。
阪神大震災は神戸市の中心から西宮市にかけて、600ガルを超えており関東大震災の2倍程度の揺れだったとの見解もあります。
しかし関東大震災では地震計によるデータはまったくなく、当時の被害の状況から300~400ガル程度と推測されています。

阪神大震災は直下で活断層が動いたことから縦揺れがこの水平方向への揺れに加わり想像を絶する破壊力となって、建物の倒壊や設備の破壊につながりました。

タンクは中に水が入ってたので、縦横にシェイクされた状態でタンクの内圧が上がり、その内圧に天井が耐えられなくなって水柱が立つようにまず天井が抜けてしまったわけです。これをスロッシング現象と呼びます。
その次に天井が抜けてしまったために側面が水圧に耐えられなくなって、外に倒れて破壊したのです。
特に古いタンクほど、もともとの構造上、水圧で外に開こうとするタンクの応力を天井部自体で支えているものがほとんどです。さらに古いタンクは経年で劣化し、強度が低下しているので尚更です。

FRP貯水タンク(貯水槽)の種類と変遷

2008 年 2 月 23 日 土曜日

FRP貯水タンク(貯水槽)の変遷と種類について書きます。

まず、昭和37年に三菱樹脂㈱によって、FRP一体型タンクの生産が始まりました。当時は軽くて丈夫、しかも錆びないと言う画期的なタンクでした。
ただ一体型タンクは現場搬入の際、レッカー等を使用しないといけないと言う困難な点もありました。

一体型タンクには最初に登場した円筒形タンクのほか、このような角型の一体型タンクや

球形タンク等色んな形のものがあります。
静岡で見かけたんですが、この球形タンクがサッカーボールの柄にペイントされていました。

FRP一体型タンクは、軽くて強くしかも錆びないと言う画期的なタンクとして市場に広がって行った訳ですが、搬入だけが問題でした。
その問題を解決すべく登場したのが現場組立式のFRPパネルタンクです。
このタンクは積水工事(現在の積水アクアシステム)によって開発され昭和39年に販売されました。
パネルタンクは1m×1mのパネルで構成されており、エレベーターと人力で搬入して現場で組立ができると言う画期的なタンクでした。
当初10年間は特許により積水の独壇場でしたが、10年を過ぎるや否や大手メーカー(ブリヂストン、TOTO、INAX、三菱、日立etc)の錚々たる企業が建築用貯水タンク市場に参入して、FRPパネルタンクはその機能性で瞬く間にシェアーを拡大して行ったのです。

ここで問題だったのは、当初各メーカーが提唱していたFRP貯水タンクは半永久的でメンテナンスフリーしていたものが、実際には様々な要因でFRP貯水タンクは劣化してゆくものであると言うことが分かったことです。

この頃きんぱね㈱社長は積水のもと、貯水タンクメンテナンス業者として、FRPパネルタンクの力学的構造や劣化現象を目の当たりにしていた時期です。

この頃培われたノウハウが今のきんぱね㈱の貯水タンクリユース工法のベースになっているわけです。

FRP製品の社会的問題

2008 年 2 月 20 日 水曜日

当初メーカーは、FRP製品の耐久性を半永久的であるとして世の中に送り出してきましたが、実際には太陽光線中の紫外線や熱・風雨などの様々な要因で確実に劣化しています。そして使用に耐えられなくなったFRP製品は新しいものに取り替えられているのが現状です。


屋外設置されたFRPパネルタンク


更新によって廃棄されるFRPパネルタンク

社団法人 強化プラスチック協会のデータによると、FRP製品の用途別出荷量が2005年が364,000トン、2006年が359,000トンとなっています。この出荷トン数はここ数年大きな変動はありません。
でもこの出荷量の大半がFRP製品の更新によるものと考えられ、廃棄されるFRP製品の量は出荷量とほぼ同量と思われます。
つまり毎年36万トンもの処理が非常に困難なFRPの産業廃棄物が出ているわけです。

FRPは再資源化が難しく、メーカーも再資源化に取り組んでいるもののセメントの骨材や再製品化されるのは数パーセントにとどまり、大部分が単純焼却や埋め立て処分されているのが現状です。

予測では2010年には45万トンもの処理が非常に困難なFRP製品の産業廃棄物化が進むと予想されています。

こうした社会問題を阻止することが現在の社会から求められている私達への命題だと理解しています


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