2008年 2月 の投稿一覧

阪神大震災の教訓

過去FRP製の貯水タンクはその耐久性が半永久的とされていましたが、実際には水が上下する時の負荷や太陽光線中の紫外線、また熱、風雨等様々な要因によって確実に劣化して行きます。
当社で設置後15年が経過したFRPパネルタンクのFRP板の強度を計測しました。その結果製造時の強度に比べて、曲げ強度で約60%以下、引っ張り強度で約70%以下になっていました。

阪神大震災ではこういったタンク強度の低下から、多くのタンクが破裂して緊急時の水が確保できなかった訳です。

阪神大震災では、まず二次災害での初期消火に水が無く、被害が広がりました。多くの火災は、地震直後からのものもありますが、倒壊・半壊した家から漏電などによって数時間後に火災が発生しました。この初期消火にあたる水が無くいたるところで火災が続いたわけです。

また怪我人の治療にも水が足りませんでした。
あまり知られていませんが、水が足らなくて特に被災者が困ったのはトイレです。
水が足りなかったので水洗トイレが使えないようになった訳です。すると人々はトイレを我慢するので救援物資として届いた飲料水を飲まなかったのです。
その結果、冬季であるにもかかわらず脱水症状を招き、さらに地震によるストレス重なり、心筋梗塞や脳溢血等の循環器系の突発的な病気で倒れたり、亡くなった方が多くおられました。

各地域のよって災害対策用貯水槽整備基本要綱と言うものがあって、これは災害時の飲料水を確保し、併せて初期消火に必要な消防用水を確保する為の基本的な事項をまとめたものがあります。その内容に概ね500m圏内に1ヵ所40トン規模の貯水タンクを設置する事とあります。

政府の地震調査会によると首都直下地震の発生率は、すでに70%以上と言う時期に入っており、その被害は阪神大震災の2倍以上と考えられています。この様な状況下で500m圏内に1ヵ所40トン程度の貯水量では被害の拡大を防げるわけではなく、だからこそ自分達で命の水を確保する事が必要です。

例えば東京都内だけでも約23万基の貯水タンクがあります。そして台東区だけでも約2万基の貯水タンクがあり、この貯水タンクに10トンづつでも貯水できれば、万一災害で水の供給がストップしたとしても20万トンもの水が人々の命を守ります。

阪神大震災後1週間目の中高層住宅住民の困ったことについてのアンケート結果
①トイレの洗浄水   ⑥照明
②風呂         ⑦洗面
③炊事         ⑧冷蔵庫
④洗濯         ⑨エレベーター
⑤暖房         ⑩その他etc
なんとその他を除いた9項目中5項目までが水が無くて困ったと言う結果になりました。

災害緊急時の水の確保がいかに大切か、そして水の確保で貯水タンクがいかに重要な設備か私達は再認識しました。

現在都心部では新築ビル・マンションを中心に増圧直結給水方式に切り替えが進んでいます。しかしながら増圧直結給水方式はブースターポンプで水を直接給水する為に貯水タンクがありません。地震等の災害時に停電すればすぐに断水になってしまいます。しかも水を貯めていないのでとても危険な状況に追い込まれます。

建物にある貯水タンクを清掃時にしっかりと点検し、問題が起きる前に予防処置としてPTSリユース工法で補強を行い、常日頃から地震や風雨に絶えられる様にしておく必要があります。

施工前
施工後

PTSリユース工法を行なえばタンクを取り替える必要がなくなり、コストも取替えに比べ半分以下で済みます。さらには社会的に問題になっているFRP製品の産業廃棄物化の削減にもつながります。

適切な時期に適切な処理を早め早めに施してやれば、貯水タンクを建物がある間は永年的に使用出来、さらに命の水が確保できるのです。自分の命だけでなく地域の人々を守るためにも貯水タンクは必要不可欠な命の水ガメです。

PTSリユース工法について詳しくはきんぱね株式会社をご覧下さい。

FRPパネルタンクの変遷

FRPパネルタンクはパネルとパネルの間に止水をする柔らかいパッキンを挟み込みボルトで締結して貯水できるようにした構造物です。
四角い容器に水を入れると水の水頭圧(ヘッド圧)で四角から丸になる様な応力がかかります。
例えば1リットルの牛乳パックの頭の部分を切って四角い容器を作るとします。これに水を入れると水の重力で容器を外に広げようとする応力がかかります。すると四角い牛乳パックが上から見ると丸くなっている様子が見られます。
こう言った状態にパネルタンクがなると水の水頭圧に耐えられなくなって潰れてしまいます。水の重力に負けない構造、つまり補強材による補強が必要になってくるわけです。

建築基準法の耐震設計基準の変遷に合わせてFRPパネルタンクの補強材による補強も様々な方式に変わって行きます。

まずこれがステーボルト方式です。FRPパネルタンクが水の応力で外に広がろうとする力をタンク内側からステンレスの棒で側面同士を引っ張り合わせることで支えています。
1980年頃まではほとんどがこの補強方式でした。タンクの中がジャングルジムの様になり清掃がやりにくいとか、ステンレスの棒が腐蝕してタンク強度が落ちるなどの問題があります。しかし構造的には単純なので後の補修や補強がし易いという利点もあります。

昭和53年(1978年)に発生した宮城沖地震を契機に貯水タンクの耐震設計(旧耐震)が必要となり、昭和56年(1981年)に建築基準法の一部が改正されて新耐震設計基準が施行されました。

そのためにFRPパネルタンクも新耐震基準をクリアするためにこの様なブレス方式の補強材に変わります。
ステンレスのアングル補強材をトライアングルに設置して強度を上げました。ステンレスのアングルを使っているので清掃時にゴム手袋をしているにもかかわらずエッジ部分で手を切ったりとか、四角い構造体を三角の形状で支えているので融通が利かず、補強材自体がFRPパネルを破壊して漏水する等の欠点があります。ですから補強材の一部をステーボルトに交換してから補修・補強を行なう必要があります。
1997年頃までこの方式が続きました。

平成7年(1995年)に発生した阪神・淡路大震災以降に建設省では「官庁施設の総合耐震計画基準」を翌年(1996年)に制定しました。この中で特に地震発生時にタンク内部の水が波立つスロッシング現象で、タンクの天井部を突き上げて破壊する事例に対して、安全策を施す事が定められています。

そしてこちらがそれ以降に登場した外補強方式のパネルタンクになります。
ボックスフレーム構造になっているので外補強材だけで自立します。丁度フレームだけで自立するキャンプ用のロッジテントを想像してもらえば分かりやすいと思います。天井部にも大きな鋼材の梁が入っていてスロッシング現象による天井部への水の突き上げにも強くなっています。
また内部の水面下には何も補強材が無いので清掃がし易く、補修・補強もしやすいタンクです。しかし中には天井梁が無かったり、本数が少なかったりするタンクが存在し、それが理由で経年劣化すると天井が裂けて破裂するタンクも事故例として少なくありません。

阪神大震災での貯水タンクの被害

平成7年1月に発生した阪神大震災では、多くの建物と設備が被害を受けました。
当然ながら多くの貯水タンクも破壊されて機能が停止しました。

小型のFRP一体型タンクの受水槽の破壊された写真です。
上からなにかで押しつぶされた様な壊れ方です。

大型のFRP一体型受水槽の破壊された写真です。
これも小型のものと同様に天井部をなにかで押しつぶされた様に壊れています。

FRP球形タンクの高架水槽が破壊された写真です。
下から突き上げた様に潰れています。

これもFRP球形タンクの高架水槽です。
設置状況や高さが違っても同じように下から突き上げた様に潰れています。

FRPパネルタンクの受水槽の破壊された写真です。
FRPパネルタンクは多くが天井部を破壊され貯水が不能になりました。

こちらはFRP一体型の高架水槽の破壊された写真です。
タンクの形状は異なっても破壊のメカニズムは共通したものがあります。
それは阪神大震災が直下型の地震で非常に強い縦揺れであったという事です。

地震の強さは水平加速度をガルと言う単位で表し、震度7で400ガル以上とされています。
阪神大震災は神戸市の中心から西宮市にかけて、600ガルを超えており関東大震災の2倍程度の揺れだったとの見解もあります。
しかし関東大震災では地震計によるデータはまったくなく、当時の被害の状況から300~400ガル程度と推測されています。

阪神大震災は直下で活断層が動いたことから縦揺れがこの水平方向への揺れに加わり想像を絶する破壊力となって、建物の倒壊や設備の破壊につながりました。

タンクは中に水が入ってたので、縦横にシェイクされた状態でタンクの内圧が上がり、その内圧に天井が耐えられなくなって水柱が立つようにまず天井が抜けてしまったわけです。これをスロッシング現象と呼びます。
その次に天井が抜けてしまったために側面が水圧に耐えられなくなって、外に倒れて破壊したのです。
特に古いタンクほど、もともとの構造上、水圧で外に開こうとするタンクの応力を天井部自体で支えているものがほとんどです。さらに古いタンクは経年で劣化し、強度が低下しているので尚更です。

FRP貯水タンク(貯水槽)の種類と変遷

FRP貯水タンク(貯水槽)の変遷と種類について書きます。

まず、昭和37年に三菱樹脂㈱によって、FRP一体型タンクの生産が始まりました。当時は軽くて丈夫、しかも錆びないと言う画期的なタンクでした。
ただ一体型タンクは現場搬入の際、レッカー等を使用しないといけないと言う困難な点もありました。

一体型タンクには最初に登場した円筒形タンクのほか、このような角型の一体型タンクや

球形タンク等色んな形のものがあります。
静岡で見かけたんですが、この球形タンクがサッカーボールの柄にペイントされていました。

FRP一体型タンクは、軽くて強くしかも錆びないと言う画期的なタンクとして市場に広がって行った訳ですが、搬入だけが問題でした。
その問題を解決すべく登場したのが現場組立式のFRPパネルタンクです。
このタンクは積水工事(現在の積水アクアシステム)によって開発され昭和39年に販売されました。
パネルタンクは1m×1mのパネルで構成されており、エレベーターと人力で搬入して現場で組立ができると言う画期的なタンクでした。
当初10年間は特許により積水の独壇場でしたが、10年を過ぎるや否や大手メーカー(ブリヂストン、TOTO、INAX、三菱、日立etc)の錚々たる企業が建築用貯水タンク市場に参入して、FRPパネルタンクはその機能性で瞬く間にシェアーを拡大して行ったのです。

ここで問題だったのは、当初各メーカーが提唱していたFRP貯水タンクは半永久的でメンテナンスフリーしていたものが、実際には様々な要因でFRP貯水タンクは劣化してゆくものであると言うことが分かったことです。

この頃きんぱね㈱社長は積水のもと、貯水タンクメンテナンス業者として、FRPパネルタンクの力学的構造や劣化現象を目の当たりにしていた時期です。

この頃培われたノウハウが今のきんぱね㈱の貯水タンクリユース工法のベースになっているわけです。

FRP製品の社会的問題

当初メーカーは、FRP製品の耐久性を半永久的であるとして世の中に送り出してきましたが、実際には太陽光線中の紫外線や熱・風雨などの様々な要因で確実に劣化しています。そして使用に耐えられなくなったFRP製品は新しいものに取り替えられているのが現状です。

屋外設置されたFRPパネルタンク

更新によって廃棄されるFRPパネルタンク

社団法人 強化プラスチック協会のデータによると、FRP製品の用途別出荷量が2005年が364,000トン、2006年が359,000トンとなっています。この出荷トン数はここ数年大きな変動はありません。
でもこの出荷量の大半がFRP製品の更新によるものと考えられ、廃棄されるFRP製品の量は出荷量とほぼ同量と思われます。
つまり毎年36万トンもの処理が非常に困難なFRPの産業廃棄物が出ているわけです。

FRPは再資源化が難しく、メーカーも再資源化に取り組んでいるもののセメントの骨材や再製品化されるのは数パーセントにとどまり、大部分が単純焼却や埋め立て処分されているのが現状です。

予測では2010年には45万トンもの処理が非常に困難なFRP製品の産業廃棄物化が進むと予想されています。

こうした社会問題を阻止することが現在の社会から求められている私達への命題だと理解しています。

FRPってなに?

FRPとは何かの説明します。

FRPは昭和30年代に使用されるようになりました。

公園のベンチや

船舶  ヨット

軽量化が求められるスポーツカー等に多く使用されるようになりました。

FRPは簡単に成型できて、しかも腐食に強いと言う特性によって、鉄製品の短所をカバーできるものとして、瞬く間に市場に広がったわけです。

改めてFRPとはどういうものかと言うと、ガラス繊維にポリエステル樹脂を含ませて何重にも積層し硬化させた強化プラスチックのことです。
ガラス繊維とポリエステル樹脂には様々な種類があって、FRP製品の使用用途に応じて耐熱性、耐薬品性、美しい光沢等様々な特徴を加えることができます。
身近なところではお風呂の浴槽(バスタブ)なんかはFRPが多いですよね

きんぱね㈱の社訓

きんぱね㈱の社訓をご紹介させていただきます。

「今日1日、誠意を持って人に接し、熱意を持って仕事に取り組みます。

今日1日、今日すべきことは今日中にします。

今日1日、感謝の気持ちを忘れず、未来に夢を持ちます。」

毎日実践する事柄です。毎週月曜部の全体朝礼のとき、社是と共に皆で唱和しています。

ワンパターンでは無いにしろ毎日同じような仕事を繰り返すうちに、人はどうしても注意力が散漫になりミスしたり、手を抜いたりします。
でもきんぱね㈱が提供するサービスを受け取るお客様は一生に一度の出来事かもしれません。お客様の喜ぶ笑顔を思い描きながら全力で頑張りましょう。

今日できることは今日中に済ませておかないと、仕事が溜まるばかりでなく、明日のお客様に迷惑かけることになりますよ。

今日も1日仕事ができたことに感謝して、会社を通して自分の目標を持ち明日はさらに努力しましょう

2005年11月におきた耐震強度偽装事件で、多くのお客様は「安心・安全」というものに大きな不信感を抱いておられます。
その後、企業のお客様を無視した色々な偽装事件は、建設業界だけでなく、食品・製紙・報道業界等多岐にわたり、しかも後を絶ちません

私達きんぱね㈱は、必ずお客様から選ばれる会社として、さらには社会から必要とされる会社として、存続・発展して行けるように頑張っています。

きんぱね㈱の社是

きんぱね㈱の社是を紹介します。

「一つ、私達は、貯水タンクリユースのプロとして、
          
          いつ如何なる時も、安心安全な水をお届けします。

一つ、私達は、革新的技術や資材を開発し、
      
          貯水タンクのあらゆる問題を解決します。

一つ、私達は、会社と共に成長し、

          充実した人生を送ります。」

経営理念は時代を経ても不変なもので、社是は時代に応じて実践すべき事柄です。

決して難しいことは書いていません。

まず、きんぱね㈱のお客様は、会社を儲けさせるために、工事を注文するのではなく、お客様自身の生活が向上するために注文されています。

そのお客様の目標を達成するためには、

私達きんぱね㈱が貯水タンクの補修・補強のプロとして、いつどんなときも安心・安全な水をお届けする工事のサービスを提供すること

安心・安全な水を供給するための革新的な独自の技術・資材を追求して、開発すること

業務を遂行することで、産業廃棄物の削減や生活用水の確保というお客様に賛同してもらえる社会意義があること

社員個人も自分の役割を認識して、目標をはっきり持ち、達成することで社会に貢献しているという達成感があること

これを大企業はコンプライアンス経営の実践と称して大々的にアピールしています。
当たり前のことをできない会社が増えてます

会社が大きくなりすぎるとお客様の顔が見えなくなるのでしょう

お客様の喜びは自分の喜びそんな気持ちで頑張っています。

貯水タンクって知ってますか?

貯水タンクってご存知ですか?
少し前のビルとかマンションには必ず付いている飲料水をためるタンク(水槽)のことです。
まず
①市町村の水道水が受水槽という貯水タンクにたまります。このたまった水をポンプで高架水槽に送って給水する方式。
②同様にたまった水を加圧ポンプで一定の水圧で給水する方法があります。
どちらの場合も一時に大量の水を使用する場合に用いられます。

何の気なしに蛇口さえ開けばお水は出てきますが、この貯水タンクに不具合があれば大変なことになります
例えばある日突然断水したりします

きんぱね㈱の経営理念

きんぱね㈱には、社長の言葉である
  「遊べなければ
 
       仕事じゃない 
 
          会社じゃない 
 
            人生じゃない」 

と言う経営理念があります。

社員はこの経営理念の基に意思統一をして、日々の仕事に精進しています。
社員それぞれは、生きてきた環境や価値観が異なるので言葉に対する感じ方や理解の仕方はそれぞれ違うはずです。でもこの経営理念には同じように共感してるはずです。

人は遊ぶときには、一生懸命になる

人は遊ぶときには、創意工夫をする

人は遊ぶときには、時を忘れて没頭する

人は遊ぶときには、すごく楽しい気分になる

人は遊ぶときには、大好きな仲間がいる

人は遊ぶときには、思いやりが自然にもてる

人は遊ぶときには、人生が懸けられる

人は遊ぶときには、・・・・・・・・だから仕事も・・・

そんな会社を皆で目指しています。