2009年 3月 の投稿一覧

貯水槽清掃作業従事者研修会 補足編

3月12日に(社)関西環境開発センター主催の「貯水槽清掃作業従事者研修会」に講師として参加してまいりました。

テーマはいつもと同様の「FRPタンクの劣化と補修方法について」50分程度お話しさせてもらいました。

しっかりとメモを取って頂いてる方も多数居られ、気持ちよくお話させて頂きました。

それで今回、貯水タンクの外タラップの腐食についてご説明させてもらった時に適切な写真がなかったので、この場で補足説明を致したいと思います。

FRPの一体型タンクに特に外タラップの腐食が顕著に見られます。
これは写真を見ていただければ分かりやすいのですが、FRP一体型タンクの外タラップはタンクの本体に直接取り付けあるのがほとんどです。

FRPタンク本体に穴を開けて直接ボルトで縫い付けてあるんです。

前にそんな錆でどうするののテーマで書いた様に、貯水タンク内部の気相部は塩素ガス充満していて、ほとんど全ての金属ボルトが錆びてしまいます。

外タラップの取付ボルトが塩素ガスで錆びてしまい、非常に危険な状態になります。

この貯水タンクは外タラップの取り付け部分が完全に外れてしまい、外タラップが立てかけてあります。
よく事故にならなかったものです。

FRPパネルタンクは外タラップの取付ボルトが全て外に位置するので、腐食がましです。
FRP一体物の場合ボルト頭が水槽内部に位置するために、塩素ガスで著しく錆びて危険な状態になってしまいます。

これは円形タンクの外タラップの取り付け部分です。

ボルトのナット側ですら、この様に錆ています。
水槽内側のボルト頭は朽ちてしまっているかもしれません。

タラップの下の付け根も小さなプレートが腐食して非常に危険です。
タラップに乗ってる最中に外れたら、ひとたまりもありません。

タラップに乗る前にはくれぐれも気をつけて上る必要があります。

確かに我々の使命は、
「我々の存在価値は貯水槽をただ単に洗うだけではありません。
  貯水槽清掃時にその貯水能力を見極めて改善しお客様の命を護る事を目的としなければ存在価値はありません。」
と言う事なんですが、決して命を懸けてはいけません。

しっかりと安全点検をして、場合によっては貯水槽清掃作業の中止も選択すべきです。

貯水槽清掃作業従事者の皆様、くれぐれもご安全に作業をして下さい。

貯水槽清掃作業従事者研修会

大阪府飲料水槽清掃管理協同組合が主催の「貯水槽清掃作業従事者研修会」に講師として参加してきました。
実際に教壇に立つのは、社長と共にきんぱね㈱を立ち上げた元専務取締役の辻顧問です。
その貯水タンクに関わる経験からくる専門知識はまさに国宝級です。

僕は補佐としてパソコンの操作等をしてきた訳です。

この会場に集まられている方々は、実際に貯水槽を清掃されている「建築物飲料水貯水槽清掃業者」の方々です。
年に1回以上はこのような講習会に参加して、貯水槽に関わる法令や構造について勉強することが義務付けられています。

決まりきったテキストによる講習会だとマンネリになるので、当社の様な貯水タンク補修業者が呼ばれて講習することが、多々あります。

自負するわけではありませんが、当社では貯水タンクを補強し続けて30年以上の積み重ねたノウ・ハウがあります。
普段なかなか目にする事の出来ない、さらには発生頻度が高い事故例についてパワーポイントを用いて詳細に説明して行きます。

さらにはその事故が起こる原因と処置方法についても説明させてもらいました。

最近大手の住宅関係・建設関係の民事再生法申請のニュースが連続して流れています。
経営陣は「本当に世の中、お客様にとって必要な会社だったのか?」と今更ながら
自問自答している姿を目にします。

貯水槽清掃業者の方々はお客様に本当に近いところで仕事をしています。
だから貯水槽を清掃する時にしっかりと点検し、不良個所があれば必ず報告し改善してもらう必要があります。

貯水槽はあらゆる外敵から貯水を護る大切な命の水瓶です。
災害時にも貯水槽があれば絶対に助かります。

「我々の存在価値は貯水槽をただ単に洗うだけではありません。
  貯水槽清掃時にその貯水能力を見極めて改善しお客様の命を護る事を目的としなければ存在価値はありません。」
と言う事を声を大にして訴えて参りました。

僕も改めて貯水タンクの重要性を再認識いたしました。

何かあってからでは遅すぎます。今の世の中自分の命は自分で護る必要があります。
でもそれは様々な情報がお客様に伝わっていなければ不可能です。
その情報を確実にお客様にお伝えして改善してもらう事。それが我々の存在価値です。